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入院のご案内

医療安全についてのお願い

本院では、患者さん・ご家族の方に安全・安心な医療をお届けするよう、病院全体で医療安全に取り組んでいます。
しかしながら、現時点で最新・最良の医療を行っても、時には病状が進行することがあります。また、検査(採血を含む)や治療(薬剤投与、手術など)では、 一定の確率で副作用や合併症が起こります。不幸にしてそのような副作用や合併症が発生した場合でも、本院はその診療に全力を尽くすことはもちろんですが、その診療は健康保険を用いて行い、診療費用を請求させていただきます。 万一、本院の診療に過失があって患者さんに障害が発生した場合には、診療費用は請求いたしませんし、その障害に対しては補償をいたします。ただし、本院の診療の過失によらないものに関しては、その限りではありません。
また、入院生活を安全に過ごすためには、患者さん・ご家族の方のご協力が欠かせません。以下の点につきましてご協力をお願いいたします。

1. 現在使用されているお薬をご持参ください

現在使用されているお薬と、お薬手帳やお薬の説明書は必ず ご持参ください。入院後の治療によっては、お薬の調整が必要な場合があります。なお,持参していただくお薬は入院予定日数分程度で結構です。

2. お名前やお薬の確認にご協力ください

  • 患者さんご本人であることを確認するため、ご自分からフルネーム(姓名)と生年月日を名乗っていただいております。
  • 患者さんご本人であることの確認のため、リストバンドを着けさせていただきます。
  • 注射薬や飲み薬はご自分の名前のものであることをご確認ください。

3. 食物や薬物でのアレルギー、その他重要な身体情報をお申し出ください

  • 特定の食物や薬物にアレルギー>がある方は医師または看護師にお知らせください。
  • 透析を行うためのシャントや、ペースメーカーなど体内に医療機器や金属がある方は医師または看護師にお知らせください。採血やMRI検査等で注意が必要になります。

4. 入院されている病棟から離れるときは看護師にお声かけください

  • 病院の敷地の外に出かける場合は、外出届・外泊届が必要ですので、医師または看護師にお申し出ください。無断で外出しないでください。
  • 所在がわからないときは、連絡先への連絡や、必要に応じて院内外の捜索や警察への通報をさせていただくことがあります。

5. 治療は十分な理解と合意の上でお受けください

  • 医師からの説明は、患者さんお一人ではなく、なるべくご家族の方と一緒にお聞きください。
  • 医師の説明内容でわからない点や納得できないことがありましたら、ご遠慮なくお尋ねください。十分に理解、納得した上で治療や検査、手術、輸血を受けてください。同意書は、ご納得の上でご署名ください。

6. 安全な手術・検査等の実施にご協力ください

  • 手術部位の間違いを防ぐために目印(マーク)をつけさせていただきます。マークを付ける場合は、手術実施への同意をいただく際に併せて、患者さんとご家族の方に説明いたします。
  • 入院までに手足のマニキュア、ジェルネイル、つけ爪などは必ず除去してください。体内の酸素濃度が正確に測定できません。
  • 指輪等の装飾品類は外せることをご確認ください。手術中のやけどの危険や、むくんで外せなくなることがあります。患者さんの安全のために、指輪を切断させていただく場合があります。
  • 髪、まつ毛のエクステンションも外しておいてください。タトゥーなどのアートメイクをされている方もお申し出ください。手術やMRI検査の際にやけどの危険があります。
  • 以上のご協力をいただけませんと、手術や検査を延期せざるを得ない場合がありますので、宜しくお願いいたします。

7. 採血や点滴に伴う合併症について

入院中は、検査や治療のためにしばしば採血や点滴を行います。細心の注意を払って行いますが、もし下記のような症状が現れたら、主治医にご相談ください。中には診療を必要とする場合もありますが、診療の中で発生したことですので、通常の保険診療となります。

  • アレルギー:穿刺の際の消毒で用いるアルコールや、スタッフの手袋(ラテックス)でかゆみや発疹ができる方がいらっしゃいます。アルコールやラテックスにアレルギーや過敏な方は前もってお申し出ください。
  • 血管迷走神経反射:注射針の穿刺後に急に血圧が下がって、めまい、気分の不良、中には失神される方もいます。以前に気分が悪くなったことがある場合には、前もってお申し出ください。
  • 止血困難、皮下血腫(青あざ):穿刺した場所はもまずに5分以上圧迫して、止血してください。血が止まりにくい場合や大きなあざができた場合にはお申し出ください。
  • 神経損傷:ごくまれ(1万から10万回に1回程度)に、穿刺した箇所やその周辺に痛みやしびれが続いたり、ひどくなったりする方がいらっしゃいます。症状が続いたり、強かったりした場合にはお申し出ください。

8. わからないことはお尋ねください

転倒・転落予防について

入院生活では、ご自宅との環境の違い、病気や診療の影響によって、普段より転びやすくなります。転倒によるけがなどで入院期間が延びる可能性もあります。転倒・転落予防には、患者さんやご家族の協力が欠かせません。以下の点について、ご協力をお願いいたします。

1. 転倒・転落の危険度評価について

すべての患者さんに対して、転倒・転落の危険度を評価しています。評価の結果と注意点を看護師が説明します。危険度が高い患者さんには、リストバンドにシールを貼らせていただいております。

2. 転倒・転落防止対策のビデオについて

病室のテレビで視聴できます(無料)。入院後早めにご家族とご覧ください。

3. 履物について

入院中は、滑りにくく、かかとを覆うタイプの靴をおすすめしています。スリッパ、サンダルなどは転倒しやすくなるため、危険です。
病院内の売店で、推奨する履物を購入できます。

4. 入院生活における注意点について

  • トイレに行くのが不安な方、歩行が不安定な方、「移動時にナースコールを押してください」と言われた方は、遠慮なくナースコールを押してください。
  • ベッドから降りるときは、ベッド柵につかまり、ゆっくりと立ち上がりましょう。
  • キャスターのついたテーブル、テレビ台、点滴スタンドにもたれかかると危険です。
  • お子様用ベッドは高さがあります。転落防止のため、必ずベッド柵を上まで上げてください。

せん妄予防と対策について

入院すると、自宅とは環境が変わり、病気そのものの影響もあって、脳がうまくはたらかなくなることがあります。ぼんやりしたり、急に興奮したり、人の区別がつかない、ない物が見えたり、ない音が聞こえたりすることがあります。これを「せん妄」といいます。
せん妄は多くの場合は一時的で、からだが回復すると良くなります。せん妄による以下の症状は、急に生じることが多く、夜になると激しくなるという特徴があります。
ただし、すべての方にみられるわけではありません。

1. せん妄症状の例

  • 意識がぼんやりしている
  • 時間や場所の感覚が鈍くなる
    日付がわからない、病院にいることがわからない
  • 幻覚が見える
    天井が歪んで見える、誰かが立っている
  • 睡眠のリズムが崩れる
  • 落ち着きがない
    視線が合わずキョロキョロする、何度もベッドから起き上がる、転んでしまう
  • 話していることのつじつまが合わない
    荒っぽくなったり、時には怒りっぽくなる
  • からだについている治療のための管を知らずに抜いてしまう

2. せん妄予防のための確認事項

せん妄を予防するために、以下のことを確認させていただきます。

  • 夜眠れているか
  • 日付や場所の確認、簡単な計算など
  • 幻覚がないか
  • 話のつじつまが合っているかどうか 等

3. 患者さん、ご家族に行っていただきたいこと

  • 朝から日光を取り込んで部屋を明るくしましょう。
  • 普段使用されている眼鏡、補聴器は正しく着用しましょう。
  • 時計、カレンダーなどを近くにおいて一緒に日時の確認をしましょう。
  • 睡眠リズムを整えるために日中活動の助けとなるもの(本、新聞、テレビ、ラジオ)を活用しましょう。
  • 痛み、便秘など本人が気になる症状は早めに医療者にご相談ください。
  • せん妄がおこったら、ハサミなどの危険物は近くに置かないようにしましょう。
  • つじつまの合わないことを言っても、無理に間違いをただすことはせず、最後まで聞きましょう。

肺血栓塞栓症とその予防について

入院後,ベッド上で足を動かさないでいると,足の血の流れ(血流)が悪くなり,血のかたまり(血栓(けっせん))ができやすくなります(深部(しんぶ)静脈(じょうみゃく)血栓症(けっせんしょう)といいます)。その血栓が何らかのきっかけで肺まで流れて,血管が詰まると突然,呼吸困難や胸痛,ときには心肺停止をきたす危険な病気(肺(はい)血栓(けっせん)塞栓症(そくせんしょう)といいます)を引き起こすことがあります。この病気は,長時間飛行機に乗った際に起きることもあり「エコノミークラス症候群」とも呼ばれています。入院中や手術後は安静にしていることが多いため,血栓ができやすくなります。

1. 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症の症状

胸が痛い、呼吸が苦しい、脈や呼吸が早いなどの症状や、下肢のむくみ、痛み、発赤など
症状がみられたら、すみやかに医療者にお知らせください。

2. 肺血栓塞栓症の予防について

患者さんの状態に応じた予防法をとらせていただきます。

  1. 足関節(足首)の背屈・底屈の運動
    患者さんができる予防法です。すべての患者さんに できる範囲で足首を前後に動かすことをすすめています。 行わない方がよい患者さんには医療者が説明いたします。

    患者さんご自身で
    ①「足首を最大限に伸ばして3秒止める」
    ②「足首を最大限に曲げて3秒止める」
    を交互に10回ずつ行ってください。

  2. 次の予防法は肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症の危険が高い場合に、危険の度合いに応じて取らせていただく予防法です。

    • 弾性ストッキング
    • フットポンプ:ふくらはぎや足にパッドをつけて圧迫して血流を良くします
    • 抗血栓薬:血栓ができにくくなる薬を使用します。副作用として出血しやすくなることがあります。
    • 下大静脈フィルター:足から心臓に向かう下大静脈にフィルターを入れて、血栓が肺に流れないようにします。