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診療科・部門

歯周病科

診療日

新患外来 月曜~金曜
再診外来 月曜~金曜
※原則予約制
外来受付電話番号 025-227-2951
025-227-2952
025-227-2957
025-227-2960
※予約変更・キャンセルの場合は、月曜日~金曜日(祝祭日を除く。)の午後2時~午後4時の間にお願いします。

外来担当医表

初診多部田康一・高橋直紀・小林哲夫・前川知樹・野中由香莉・杉田典子・小松康高・
中島麻由佳・佐藤圭祐・保苅崇大
再診多部田康一・高橋直紀・小林哲夫・前川知樹・野中由香莉・杉田典子・小松康高・
宮澤春菜・中島麻由佳・佐藤圭祐・保苅崇大・松岸葵・干川絵美・
都野隆博・峯尾修平・山下萌・笹川花梨・那須優介・滝澤史雄・
水口舞依・湊裕佳子・安藤大樹・本杉駿弥・柳川万由子・安井惟人・植田優太・割田悠子

受付場所

外来診療棟 4F 歯周病科

外来診療棟 4F 歯周病科

診療科のご案内

診療室長 多部田 康一

国民病とも呼ばれるほど多くの人が歯周病に罹患しており、成人が歯を失う主な原因です。個々の患者さんの体質や生活習慣によって、歯周病のなりやすさ、進みやすさは様々であることから適切な診断と治療が必要です。一般に「歯周病」には以下の特徴があります。

  • 痛みが少ない
    はじめのうちは痛みが少なく、自覚症状無く進行することが多いため、定期的な歯科受診による早期発見・早期治療とその後の定期的なメインテナンスが大切です。
  • 放置すると歯を失い、進行が加速します
    放置すると歯を支える骨が溶けて歯が抜け落ち、次々と歯を失ってゆきます。歯ぐきが腫れる、歯ぐきから膿(うみ)がでる、噛むと痛い、歯がグラグラ動く、口臭が気になる場合は早めに歯科を受診してください。
  • 治療により治すことが、また予防も可能です
    軽度あるいは中程度の歯周病であれば、治療により失った骨や歯ぐきを回復(再生)させることが可能です。また、生活習慣の改善により、多くの歯周病は予防することができます。
  • 歯周病は体に悪い影響を与える可能性があります
    重度の歯周病は、全身の様々な臓器に悪い影響をあたえる可能性があります。糖尿病、心筋梗塞、肥満、リウマチ、誤嚥性肺炎などとの関連が報告されています。お口を健康に保つことは、より健康的な生活をおくることにプラスとなる可能性があります。

概要

歯周病は、国民病とも呼ばれるほど多くの人が罹患する疾患であり、成人が歯を失う主な原因です。病状は患者さんごとに異なり、適切な検査・診断のうえ治療を行うことが重要です。歯肉炎や軽度歯周炎に対する基本的な治療から中等度~重度の歯周病治療における歯周手術や歯周組織再生手術などの専門性の高い治療まで、科学的根拠に基づいた歯周病治療を提供いたします。また、治療により改善した状態を長期にわたり維持するため、メインテナンス治療も重要と考えて取り組んでおります。昨今、口腔感染症である歯周病と様々な全身疾患との関連がますます注目されています。口腔内感染のコントロールを介して、全身の健康増進に寄与するべく、努めております。

取り扱っている主な疾患

    です。歯肉の腫れや歯磨き時の出血が認められます。歯磨き指導や専門的な歯垢・歯石の除去が主な治療法となります。

  • 歯周炎:歯肉炎が進行した段階で、歯肉や歯を支える骨(歯槽骨)が破壊されます。中等度以上となると、歯の揺れが生じます。歯肉や歯槽骨の状態を改善するために、歯周手術や歯周組織再生手術が必要となる場合もあります。
  • 全身疾患関連歯周炎:歯周炎は体の免疫機能と関連するため、全身状態が影響する歯周炎もあります。医科と連携して治療を行います。
  • 歯肉増殖症:降圧剤・抗てんかん薬などの副作用として起こることがあります。医科と連携して治療を行います。
  • 歯肉退縮:不適切なブラッシングや歯ぎしりなど過剰な外力によって歯肉が下がり、歯の根が露出した状態です。適応となる場合には歯周形成外科手術で改善を図ります。

特色ある治療

1 専門的歯周治療

治療を開始する前に、精密な検査と診断をもとに患者さんと十分な相談行ったうえで、歯周病治療を実施しています。歯肉炎や軽度歯周炎に対する基本的な治療から中等度~重度の歯周病治療における歯周手術や歯周組織再生手術などの専門性の高い治療まで、科学的根拠に基づいた歯周病治療を提供いたします。日本歯周病学会の認定する、歯周病指導医・専門医・認定医が在籍しております。

2 歯周組織再生誘導手術(バイオリジェネレーション法)(保険外診療)

【通常必要とされる治療内容】
 歯周組織再生誘導手術は、2002年に厚生労働省認可されたエナメルマトリックスタンパク質を主成分とするエムドゲイン®ゲルを使用するもので、本邦を含め世界的に20年以上の長期実績を有します。エムドゲイン®ゲルは単独での使用が前提で認可された歯周組織再生誘導材ですが,骨移植材との併用が望ましい症例も数多くあります。当院では、骨移植材であるバイオオス®との併用療法も、当院新規医療技術等管理センターの承認(適応外による診療行為)のもと実施しています。手術の流れとして、通常の歯周外科手術に準じ、患部の歯肉(歯ぐき)を切開・剥離し、病巣部を掻爬したのち、エムドゲイン®ゲルを歯根面に塗布します。併用療法においては、同時に骨欠損部位にバイオオス®を填入して、創面を閉鎖します。いずれの手術も1-2週間をめどに治癒状態を確認した後,抜糸します。3, 6か月後の時点で予後を確認し、最終的には1年後を目安に評価します。その後、必要性に応じて当該歯に対して補綴治療(被せもの)をおこないます。

【治療期間及び回数】
治療期間:約1年間
来院回数:計68回程度

【標準的な費用】
1000円未満繰り上げ 20224月時点、購入時価格により変動します。
1) エムドゲイン®ゲル単独:53000円~61000
2) エムドゲイン®ゲル+バイオオス® 併用:65000円~110000

【国内の承認医薬品等の有無】
● エムドゲイン®ゲル:承認有り
● バイオオス® :承認有り
 (但しGTR膜との使用が前提であり、エムドゲイン®ゲルとの併用は適応外)

【入手経路】
● エムドゲイン®ゲル  製造元:(株)ストローマンジャパン/販売元:(株)ヨシダ
● バイオオス®    製造・販売元:(株)ガイストリッヒファーマジャパン

【主なリスクや副作用】
 エムドゲイン®ゲル単独、およびバイオオス®との併用療法に起因する明らかな有害事象は学術論文および市販後使用成績調査において報告されていません。しかし、一部の学術論文では、エムドゲイン®ゲル使用後の歯根吸収やアンキローシス(歯根と骨が直接結合する)も報告されております。また、通常の歯周手術と同様の合併症(一過性の炎症,疼痛,歯の動揺,感染)が生じる可能性が考えられます。合併症に対する治療を必要とする場合、検査・処置にかかる費用は自費負担となります。

3 培養自家骨膜細胞による歯槽骨・顎骨再生療法(保険外診療)

【通常必要とされる治療内容】
 歯周病で失われた歯槽骨の回復には一般に自家骨や人工骨の移植が行われます。本治療法は、患者様自身の顎骨から採取した骨膜(骨の表面を覆う膜状の組織で、骨の維持や修復に働く)に含まれる細胞を培養して増殖させた後、歯槽骨の欠損部に移植することで骨の再生を目的とした細胞移植治療になります。
 具体的には、局所麻酔下にて骨膜を採取し4週間の培養を行い、シート状の自家培養骨膜細胞を製作します。手術時に、患部の歯肉を切開して剥離した後、培養骨膜細胞と多血小板血漿(血液の成分)および少量の自家骨片を混和した移植材を患部に移植し、縫合して創面を閉じます。1-2週間後に抜糸を行い、6-12か月後に経過観察と治療効果を評価します。
 なお、本治療法は2007年からの基礎研究や臨床研究の成果を踏まえ、2016年から保険外診療として患者さんに提供しており、現在は特定認定再生医療等委員会にて承認を得て、厚生労働大臣に再生医療等提供計画書を提出している治療です。口腔外科領域含め、本治療は100例以上の実績を有しています

【治療期間及び回数】
治療期間:約1年間
来院回数:計10回程度

【標準的な費用】
費用:約27万円
内訳:術前検査・骨膜採取 約25千円
   自家培養骨膜細胞調製および移植手術 約23万円
   術後検査 約15千円
投薬の有無や術後検査の回数により費用は変動します。

【主なリスクや副作用】
 これまで本院における100例以上の症例において、培養骨膜を用いた再生医療が直接の原因となる重大な有害事象は生じていません。通常の歯周手術と同様の合併症(一過性の炎症、感染等)が生じた場合は、検査・処置にかかる費用は自費負担となります。また本再生療法における特有のリスクとしては、細胞培養操作や培養試薬・機器に起因する感染のリスク、細胞培養試薬に対するアレルギーのリスク、移植後細胞の腫瘍化のリスクが考えられます。本治療において培養細胞の腫瘍化に起因する副作用はこれまで発生しておらず、その危険性は低いと考えられます。しかし,培養操作による細胞の腫瘍化や性質の変化が生じることの可能性を完全に否定できるものではありません。

治療・手術件数

治療・手術の名称 件数
フラップ手術 50件(2018年度)
同上 23件(2019年度)
同上 20件(2020年度)
同上 31件(2021年度、4〜12月迄)
リグロスによる歯周再生手術 42件(2018年度)
同上 39件(2019年度)
同上 16件(2020年度)
同上 31件(2021年度、4〜12月迄)

専門医、認定医

専門医・認定医の名称 人数
日本歯周病学会認定 歯周病専門医 6名(2021年度)
歯周病認定医 9名(2021年度)
日本歯科保存学会 専門医 2名(2021年度)
日本歯科保存学会 認定医 4名(2021年度)

専門外来

  • 歯周組織再生外来