病院長ごあいさつ
本院は前身の新潟病院の開設から140年余りと国内の病院の中でも随一の伝統を持っており、医育機関としては約120年前の官立新潟医学専門学校設立から医師をはじめとした医療人養成の中心となってきました。これは、本院で学び、知識、技術を習得した医師、看護師をはじめ、多くの医療人が第一線で活躍し、また、後輩を育成する側となることが連綿と続いてきたことを意味します。
現在、新潟県の3次医療圏を支える特定機能病院として種々の高度医療、3次救急医療を行っております。また、先端医療を担う病院として、各領域での最新の医療を行っておりますが、高難度新規医療技術等管理センターを設置し、その安全性には一層の対策を講じております。がんゲノム医療の基幹病院の指定のもと、ゲノム医療部を新たに設置し、「遺伝医療センター」、「がんゲノム医療センター」、「ゲノム情報管理センター」の3つのセンターでプレシジョンメディシン(Precision Medicine;高精度医療)の実践体制を整えております。また、新規薬剤の積極的な導入のための臨床治験の推進、新規医療技術、新規薬物治療の開発をすすめる臨床研究推進センターが稼働しており、同センターに隣接する産学の協業プラットフォーム、ライフイノベーションハブ内にコワーキングスペースを開設し、イノベーションを推進しております。
これら高度医療、先端医療の実践のみでなく、患者さん本位の安全で安心できる医療を提供することも私どもの大切な目標です。病気になれば、患者さんご本人だけでなく、ご家族も大変ご心配、ご不安になることと思いますが、そのような中でも、すこしでもスムーズに診療を受けていただけるように数々の改善を行ってまいりました。病院へのアクセス改善や患者総合サポートセンターによるワンストップでの受診、入院手続きのお手伝い、アメニティーモールのコンビニエンスストア、レストラン、コーヒーショップ等の整備による利便性の向上を図っております。さらに2022年10月からは、小児患者さんとそのご家族のための宿泊施設、ドナルドマクドナルドハウスにいがたが病院隣接地にオープンいたしまして、多くのご家族にご利用いただいております。同ハウスは300名余りのボランティアさんが中心となり運営されますので、単に宿泊施設というだけでなく小児医療と地域社会をつなぐ新たな拠点になるものと期待しております。
地域社会と共に発展を図る新潟大学では、「新潟大学将来ビジョン2030」を策定し、病院においても、①国際マインドを持つ多種多様な医療人の育成、②新規医療技術の研究開発拠点の形成、③医療提供体制の充実による地域医療の課題解決を目標とし、取り組んで参ります。今後とも、なお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
新潟大学医歯学総合病院長