「遺伝性疾患とはどのようなものか」「検査の結果はどう扱われるのか」など、受診を検討されている方や検査を予定されている方からよく寄せられる質問をまとめました。不安の解消や、相談の際の手がかりとしてご活用ください。

- 遺伝性疾患とは何ですか?
- 遺伝子の変化が病気の発症に何らかの形で関係する疾患のことをいいます。一つの遺伝子の変化が原因で発症する単一遺伝子病、いくつかの遺伝子や環境要因が影響している多因子遺伝性疾患、染色体の数や構造に変化のある染色体疾患などがあります。
病気の原因となる遺伝子や染色体の変化を親が持っていて、それが子どもに伝わる場合と、精子や卵子が作られる過程や受精の際に、新生変異で生じる場合があります。
- 遺伝学的検査(遺伝子診断)とはどのようなものですか?
- 患者さんの症状から遺伝性疾患が疑われた場合は、その原因遺伝子を調べることで診断をつけることができます。遺伝学的検査により診断が確定することで、患者さんのより適切な医学的管理や血縁者の健康管理に役立てられる場合があります。
一方で、遺伝子は親から子へ伝わるため、遺伝性疾患の原因遺伝子の変化が明らかになった場合は、血縁者も同じ変化を持っている可能性があります。検査は採血を行い、血液中の白血球からDNAを取り出して調べる方法がよく行われます。
- 遺伝学的検査(遺伝子診断)の種類にはどのようなものがありますか?
- 遺伝学的検査(遺伝子診断)は、大きく分けて以下の5つの種類があります。
- 確定診断
遺伝性疾患が疑われる症状があり、診断を確定するために行います。 - 発症前診断
現時点では症状の発症はありませんが、遺伝性疾患と診断された血縁者がおり、将来的に自分も発症する可能性があるかどうかを知るために行います。 - 保因者診断
特定の遺伝性疾患の原因となる遺伝子の変化をもっているかどうかを調べる検査です。保因者であった場合、自身は症状を示しませんが(疾患により症状を示す場合もあります)、子どもに遺伝子の変化を伝える可能性があります。 - 出生前遺伝学的検査
胎児に染色体疾患や一部の遺伝性疾患(対象者は限定されます)があるかどうかを生まれる前に調べる検査です。すが、主に採血や羊水検査を行います。 - 着床前遺伝学的検査
妊娠前に受精卵の染色体や遺伝子の検査を行い、特定の遺伝性疾患や染色体疾患を持っていない可能性が高い受精卵を子宮に戻す方法です。 診断を受けられる対象者や実施施設が限られています。※
※当院では行っておりませんが、必要に応じて他施設と連携し、ご相談を受けております。
- 確定診断
- 遺伝学的検査を受けるかどうかはどのように決めるのですか?
- 遺伝学的検査の目的や内容については、主治医や遺伝カウンセリング担当者から詳しい説明があります。それを良く理解していただいた上で検査を受けるかどうかご本人(小児の場合は保護者)が意思決定できるよう支援いたします。検査の強制はありません。
なお、遺伝学的検査を行うことができる疾患は限られています。当センターでは遺伝学的検査を実施している検査会社・施設等と連携して、検査を提供しています。
- 遺伝学的検査の結果を他の人に知られることはないのですか?
- 遺伝学的検査の結果は、プライバシーや倫理的な側面において十分な配慮がなされ、厳重に保管されます。患者さんの同意が得られ、検査結果が学術論文や学会で報告される場合でも、個人情報は保護され、検査を受けた個人が特定されることはありません。
- 診療情報提供書(紹介状)が無いのですが遺伝カウンセリングは受けられますか?
- 正確な遺伝医学情報を提供するために、病気を発症された方の診療情報が原則必要となります。何らかの理由で医療機関から診療情報提供が得られない場合などは、限定的な内容となりますがお引き受けできる事もありますので、詳細はお電話でご相談ください。
■何らかの理由(例)- 病気を発症された方が死去されている
- 医療機関での診療録の保存期限が過ぎており、診療情報提供が得られない

