院内製剤(特殊製剤、一般製剤)調製
院内製剤とは、病院内で薬剤師により調製、製造され、その病院に限定して使用される薬剤のことで、使用目的に応じ、一般製剤と特殊製剤に大別できます。
一般製剤は、準備を目的とするもので、調剤業務や診療業務の効率化として、約束処方や繁用処方の予製・予包となる薬剤です。
特殊製剤は、患者にとって治療上必要とする薬剤ですが、製薬会社では製造されていない薬剤であるため、院内で医薬品や試薬を原料として調製する薬剤です。
当院では、約60種類の院内製剤があり、倫理性、科学的妥当性に従い、患者個々や医療ニーズに対応した薬剤調製を行っています。
TPN輸液調製
中心静脈栄養:TPN(Total Parenteral Nutrition)は、高カロリー輸液とも呼ばれ、薬剤混合は無菌的に行われるべきとされています。当院では、無菌製剤室で、クリーンベンチISOクラス5の環境下で無菌的に調合しています。


外来がん薬物療法関連業務
近年の支持療法の進歩により、従来入院で行われていたがん薬物療法が外来へ移行可能となりました。2002年の診療報酬改定により、外来化学療法加算の算定が可能となり、加えて在院日数の短縮化、包括医療、2006年には厚生労働省より均てん化を目指したがん診療拠点病院の整備についての指針が出るなど、がん医療を取り巻く社会情勢も変化しています。また、外来でがん薬物療法の治療を受けることは、患者のQOL向上に貢献すると言われています。このような背景から、外来がん薬物療法は急速に広まっており、外来で薬物療法を受ける患者さんの数は、年々上昇の一途をたどっています。
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外来でがん薬物療法を受ける患者さんに対し、以下(1)~(4)などの業務を行っています。
(1)患者支援業務
・薬剤の効能・効果、服用方法、投与計画、有害事象の種類とその対策、有害事象に対し処方される薬剤の使用目的・使用方法、日常生活での注意点等の説明、併用薬との薬物相互作用の確認を行います。
・抗悪性腫瘍薬による有害事象の評価を行い、主治医に対し、有害事象の有無、服薬状況、患者の不安の有無等について、情報提供を行うとともに、有害事象に対する対処薬剤の提案を行います。
(2)注射箋鑑査業務
登録されたレジメンに基づき、投与量、休薬期間、投与方法、投与時間、支持療法などが適切であるかを確認し、疑義が生じた場合に、照会を行っています。
(3)最終投与鑑査業務
当日の血液検査、急激な体重変化、治療上必要な薬剤の処方の有無等の投与に関する最終の確認を行い、安全な投与が困難と判断される場合には、主治医に照会を行っています。
(4)支持療法・生物学的製剤・抗悪性腫瘍薬調製業務
通院治療室で投与されるすべての薬剤の調製を行っています。
レジメン審査委員会関連業務
新潟大学医歯学総合病院では、がん薬物療法治療レジメンの承認に関するレジメン審査委員会を、月に1回開催しています。薬剤師は、レジメン審査委員会への参加、承認されたレジメンのオーダへの登録・管理を行っています。