概要
従来から、超高齢社会の課題は、高齢化率の高い「地方」の課題を中心に議論されてきました。しかし、近年、10年20年後を見据えた、都市部における高齢化の問題がクローズアップされてきています。また、急速な高齢化は日本だけの問題だけではなく世界的な課題で、日本が世界の主要都市に先んじて超高齢社会に直面している、ということはあまり知られていません。日本は世界に先駆けてこの超高齢社会に取り組む必要があります。
こうした中では、高齢者ができるだけ長く元気に生活できる地域社会『健康長寿社会』が望まれており、それに対応するため「治す医療」だけでなく、「生活に寄り添い支える医療」の必要性が高まっています。
新潟県は、豪雪地・離島・平野部・山間地から都市部まで広がる多様なフィールドがあります。また、高齢化率40%と、日本の超高齢化を20年先取りしているといわれている中山間地、これから高齢化する都市部など、多様性のある人口分布となっています。まさに新潟県は、明日の日本を映す鏡といえます。
この新潟県の地理的メリットを生かすべく、新潟大学においては、以前より、自治体と連携した研究プロジェクト(佐渡プロジェクト、魚沼コホートスタディ等)により、高齢化に関する課題解決に取り組んできました。また、先の大学改革等推進経費において採択されたプログラム等を活用して、多職種連携による地域医療の充実に取り組んできました。
本プログラムでは、
- これまでの取り組みにより確立した多職種連携
- 医歯学総合病院としての強みを活かした医歯学連携による口腔ケア
- 保健学科や県内の医療系大学との多職種協働
- 地元自治体や医師会及び住民等と連携したオール新潟体制
これらを事業基盤とします。
これにより、幅広い総合診療能力に加えて、機能維持、機能回復の視点による生活不活発病予防などの予防活動を学ぶ、卒前、卒後の一貫した実践プログラムを設定し、今後急速に進む都市部の高齢化にいち早く取り組み、住民に寄り添うマインドや予防医療の視点、地域の課題に柔軟に対応する力を持ち、地域医療のリーダーとして活躍する総合診療医「次世代医療人」を養成します。
そして、日本の未来医療のモデルとなることをめざします。
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教育プログラム・コース
次世代医療人養成コース「プライマリコース」
大学名等 | 新潟大学医学部 | |
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プログラム・コース名 | 次世代医療人養成コース「プライマリコース」 | |
対象者 | 医学生 | |
終業年限(期間) | 3年 | |
養成すべき人材像 | 変容し多様化する超高齢社会にあって問題となる誤嚥性肺炎や生活不活発病をターゲットとした機能回復・予防活動に関する知識を持ち、更にリサーチを通して超高齢社会を俯瞰し、疾病予防、介護予防の重要性を理解し、それらに対してどう対応していくかを自ら考えることのできる人材である。 | |
修了要件・履修方法 | 医学科4年次学生時の医学研究実習で次世代医療人養成センターが実施するリサーチを選択し、定められた期間、実習を行い、その結果を日本国内の各種学会で発表する。また次世代医療人育成センターが主催するワークショップとフィールドワークに参加する。 | |
履修科目等 | 必修科目 |
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選択科目 |
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教育内容の特色等 (新規性・独創性等) |
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対象者 |
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受入開始時期 | 平成25年10月~ |
次世代医療人養成コース「アドバンスドコース」
大学名等 | 新潟大学医学部 | |
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プログラム・コース名 | 次世代医療人養成コース「アドバンスドコース」 | |
対象者 | 初期研修医および後期研修医 | |
終業年限(期間) | 5年 | |
養成すべき人材像 | 変容し多様化する超高齢社会にあって住民に寄り添い、誤嚥性肺炎や生活不活発病をターゲットとした機能回復・予防活動を実践できる医療人。更にリサーチを通して超高齢社会を俯瞰し、その中で疾病予防、介護予防の重要性を理解し、それらに対してどう対応していくかを自ら考え、実践する能力を持つ総合診療医である。 | |
修了要件・履修方法 | 臨床研究を行いつつ、臨床研修を重ね、総合診療専門医を取得する。 | |
履修科目等 | 必修科目 |
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選択科目 |
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教育内容の特色等 (新規性・独創性等) |
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対象者 |
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受入開始時期 | 平成27年4月 |