地域のがん診療連携拠点病院として
がん医療にかかわる患者さんと
ご家族を支えます。
人口の高齢化が進むに従いがんを患う方は増加し、日本では生涯でがんに罹患する確率は男性62%、女性49%と報告されています。我が国ではがんは稀な病気ではなく、がんにならないよう生活すること、がんは出来るだけ早期に発見すること、がんを適切に治療することが重要と考えられます。がんの治療には手術、放射線療法、薬物療法があり、これらの治療成績は着実に進歩してきました。一方で治療の進歩に伴い、様々な治療選択肢が生まれ、またこれまで目にすることが無かった副作用も増えています。がん治療が一つの診療科で完結する時代は終わり、多様化した治療選択肢、副作用に適切に対処できる診療科チーム、訓練を受けた多職種スタッフのチームでがんに対峙する時代が到来しています。また、治療成績が向上し、治癒が難しかったがんや、より進んだ病期のがん患者さんも長期の生存が期待できるようになったことにより、過去にはあまり取り上げられてこなかった、がん患者さんの就職や就労の問題、また遅発性の副作用の問題への対応も必要となってきています。
平成19年4月に「がん対策基本法」が施行され、国および県において「がん対策推進基本計画」が策定されました。がん診療の取り組みが拡充されていく中、新潟大学医歯学総合病院はがん診療連携拠点病院、小児がん連携病院に指定され、新潟県におけるがん診療の拠点施設として、がん診療、教育および研究を進めています。また平成19年には腫瘍センターを設置し、がん診療の医療水準向上を推進してきました。腫瘍センターは、外来でがん薬物療法を行う通院治療室、緩和医療を担当する緩和ケア室、がんに関するさまざまな相談窓口となっているがん相談支援センター、およびがん治療実態を集計しているがん登録室の4つの部門から構成され、それぞれががん治療成績の向上のため活動を続けています。また、小児がん医療センターでは新生児から思春期・若年成人(AYA)まで、多職種連携を取りながらライフステージに合わせた診療を行っています。
新潟大学医歯学総合病院腫瘍センターは、院内のがん診療を統括し、がん患者さんに安全で質の高い医療を提供するため、不断の努力を続けてまいります。今後とも、がん診療水準の向上に向けて、職員一同一丸となって積極的に取り組んでいきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
腫瘍センター部長渡部 聡
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