HOME > 体外受精-胚移植を希望される方へ > 新潟大学病院におけるカウンセリングの実際

1.なぜカウンセラーが入るのか

HIV陽性夫、陰性妻への体外受精の実施にあたり、新潟大学医歯学総合病院ではカウンセラーがチームスタッフの一人として導入されています。

その目的は、主に以下の3点です。

  1. 本治療参加へのご夫婦の最終的意思確認を行う
  2. 先端医療である本治療に参加するご夫婦の精神的負担を軽減する
  3. 新潟大学医歯学総合病院での治療及び他院での受診が、よりスムーズに行えるようコーディネーションを行う

なお、2・3に関しては、カウンセラーだけではなく、新潟大学医歯学総合病院産婦人科及び感染管理部のスタッフも適宜協力し、ご夫婦の治療参加に協力する体制を整えています。

2.受診の流れとカウンセラー対応の実際

受診の流れとカウンセラー対応の大まかな流れは下記の図1のようになります。以下、図1についての説明です。

A 荻窪病院からの紹介・新潟大学医歯学総合病院受診日程調整
B 新潟大学医歯学総合病院初診 11:00開始、15:00~15:30終了
  1. 治療導入ガイダンス
  2. 治療説明
  3. 必要検査の実施
C 2回目受診 10:00開始、14:00~14:30終了
  1. 個別カウンセリング
  2. 個別治療説明、同意書作成
  3. 妻受診・夫採精
D 体外受精・胚移植治療(約2週間~1ヶ月の新潟滞在)

治療滞在中の妻、あるいはご夫婦へのカウンセリング

E 妊娠判定

結果確認後のフォローアップ

妊娠成立

妻胚移植後3ヶ月間抗体検査実施 妊婦検診出産

妊娠不成立

妻胚移植後3ヶ月間抗体検査実施

図1 主な受診の流れ(カウンセラーが対応している部分は青字になっています。)

初診、2回目受診時の終了時間は状況によって多少前後いたしますので、あらかじめご了承ください。

A

荻窪病院にて治療の条件を満たすと判断され、新潟大学医歯学総合病院産婦人科受診の希望がある方については、荻窪病院と新潟大学医歯学総合病院のカウンセラーの間で日程調整を行い、患者様にご連絡がいくことになります。

B

来院いただき新潟大学医歯学総合病院初診受付をしていただいた後、

1.治療導入のガイダンスを、カウンセララーが行います。新潟大学医歯学総合病院における大まかな受診の流れを説明させていただきます。

その際、奥様の婦人科受診等既往歴についてもご確認させていただきます。

なお、体外受精の場合、地元医療機関との連携がとれれば、新潟大学医歯学総合病院への通院期間は短縮され、その後実施となります。

そのため、地元病院のフォローアップの希望等、ご夫婦の意向をお聞きします(フォローアップ病院がみつからない場合は、新潟での滞在が1カ月近くに伸びる場合がありますし、その後も通院していただく可能性があることをご承知おきください)。

次回受診日の決定等今後の治療に関する事実確認を行うこと、及びご夫婦が安心して新潟大学医歯学総合病院での治療を継続するために治療に関する疑問や不安を軽減することを目的に、カウンセラーへの連絡方法をお伝えしております。

また、新潟大学医歯学総合病院からご夫婦にメール等ご連絡する方法についても確認させていただいております。以上の一通りの説明の後、ご夫婦からの疑問や不安な点をお伺いします。

治療導入ガイダンスの後、新潟大学医歯学総合病院における治療に関する詳細な説明書をお渡しし、

2.治療説明を産婦人科担当医より行います。

説明とともに、産婦人科医より奥様の婦人科受診既往歴等詳細に確認させていただき、

3.必要検査の実施を行います。

本治療には、全国各地からご夫婦が参加しており、新潟大学医歯学総合病院に始めて来院される方が大半です。初診時は特に、慣れない環境及び新しい治療への参加による緊張を軽減するよう心がけ対応しております。

B初診時にご持参いただく物:
ご夫婦の健康保険証・紹介状・奥様の基礎体温記録表・必要検査のための料金(2~3万)
C

ご夫婦とカウンセラーの間で日程調整を行い、二回目受診日が確定いたします。

来院後、始めにご夫婦各々への

1.個別カウンセリングを、カウンセラーより行います。

個別カウンセリングにおいては、初診の治療に関する詳細な情報提供を受けた結果を受け、ご夫婦が治療参加する意思について再確認させていただきます。

その際、本治療参加が双方の自発的意思であるかという意思確認だけではなく、今後治療参加していくにあたっての疑問や不安についても、再度ご夫婦各々に確認し対応します。個別にカウンセリングをする中で、新潟大学医歯学総合病院での治療説明後、本当に本治療に参加していくか再度検討するご夫婦、あるいは夫と妻の治療参加意思がずれる、迷いが生じるといった場合もあります。そのような場合にも、それぞれの意思を尊重し時間をかけて自己決定できるようご協力しています。

個別カウンセリングの後、産婦人科担当医より

2.個別治療説明を行います。

再度治療に関する疑問点等を確認後問題ない場合、同意書への署名捺印を行います。

その後、実際の治療を行う産婦人科担当医より、

3.妻受診・夫採精の実施となります。

その際、新潟大学医歯学総合病院での体外受精・胚移植の具体的な手技についてご説明いたします。

意書に署名捺印の有無に関わらず、本治療への参加をご夫婦の事情により中断されても全く問題はありません。

二回目受診時にご持参いただく物:
印鑑(夫婦共通三文判で可)・奥様の基礎体温記録表・ご夫婦の健康保険証と新潟大学医歯学総合病院診察券
D

原則として、移植実施日二週間前より毎日新潟大学医歯学総合病院に通院してもらい、排卵誘発剤の注射が行われます。

採卵時には原則夫(あるいはご家族)に、新潟大学医歯学総合病院にいていただくことをお願いしています。

万一、全身麻酔の影響、採卵に伴う合併症、腹腔内の出血等が生じた場合に、同意の上の迅速な処置を行う必要があるので、ご理解ください。

採卵後、受精卵の安全が確認され次第、移植を行います。原則一泊新潟大学医歯学総合病院で入院していただきます。

ホルモン注射の副作用がなく、それまでの経過が順調であれば、以後の管理は地元の産婦人科でもよいのですが、副作用が生じた場合、以後の健康管理に大きく関わるので、妊娠判定まで新潟大学医歯学総合病院で診ることになります。

なお、地元を離れての長期滞在治療となるため、疑問や不安が生じる場合もあります。患者様が一人で抱え込まずサポートできるよう、精神面のフォローをカウンセラーも行います。また治療に関しての不安に対応できるように、医師への受診体制が整備されています。

受診後カウンセラーからも患者さんのご様子をお伺いし、なるべくご本人のご希望にそってカウンセリング対応を行います。その際、夜間祝日の副作用による急変に備え、新潟大学医歯学総合病院救急外来受診方法についての情報等もお伝えしております。

E

原則、胚移植約一カ月後に新潟大学医歯学総合病院にて妊娠判定となります。

妊娠されていた場合、新潟大学医歯学総合病院からの紹介状をご持参いただき、地元産婦人科病院にて妊婦健診、出産をしていただく形となります。

妊娠せず再度の治療を希望される場合、再び荻窪病院に連絡をして予約をしていただくことになります(連絡先:荻窪病院血液科花房医師、小島カウンセラーTEL:03-3399-1101)。

なお、本治療は厚生労働省の科学研究費の支援を受けた治療ですので感染していないことの確認のために、妊娠の成立不成立に関わらず胚移植後定期的に採血が必要で、それは出産後の赤ちゃんも同様です。

原則として、胚移植1カ月後、2カ月後、3カ月後に行われます。この3回は原則として新潟大学医歯学総合病院にて検査を行いますが、来院できない事情がある場合には産婦人科担当医師にご相談ください。

妊娠判定時は、妊娠成立不成立に関わらず、患者様は結果の事実を受け止めなければなりません。そのサポートを行うため、妊娠判定の受診後、カウンセラーも極力お会いしご相談する時間を設けております。

3.妊娠判定後の対応

妊娠している・していないの結果に関わらず、新潟大学医歯学総合病院での治療終了後も本治療に関する相談対応をカウンセラーがメール等で行っております。
また、医学的部分に関しては産婦人科担当医からもご返答する体制を整えております。ただし、新潟大学医歯学総合病院での治療の実際の滞在期間は、10日~1ヶ月の短期間ですので、ご夫婦からの継続的な相談対応のご希望がある場合は、相談のニーズに応じて地元の相談窓口をご紹介することも可能です。

体外受精-胚移植治療は、身体的・精神的・経済的等、ご夫婦にとっての負担が大きい治療です。本治療を何度か繰り返される方の場合、治療の継続と断念の決定は難しい事であり、治療後にそのようなご相談をうけることもあります。また一方、妊娠継続し無事出産された方からは、その後の育児の様子やご相談を受けることもあります。

4.おわりに

大半のご夫婦は、新潟大学医歯学総合病院を初診されるまでの間に、挙児についてご夫婦で互いに熟慮し検討しています。それでも、実際の治療に関する詳細な説明を受けることによって、ご夫婦の中に感染のリスク、治療に伴う副作用、滞在中の治療に関して等々、心配や不安の内容がさまざま語られます。そもそも不妊治療自体、心身ともに負荷のかかる治療であり、本治療に参加することに対して心配や不安が生じるのはむしろ当然のことです。カウンセラーは、そのような迷いや気持ちの揺れに寄り添い、治療選択について自己決定できるよう努めております。一方、治療参加の決定に関しては、地元病院等で本治療に関する情報提供を受けた時点からおそらくご夫婦の検討が始まっており、今後、治療参加の手続きをするまでのご夫婦の相談にのることができる地元相談窓口ができることも大切と思われます。

新潟大学医歯学総合病院におきましては、極力安心して治療が受けられるようスタッフ一同、心がけて対応していく所存です。

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