専門研修用高度シミュレーター

仮想気管支鏡ソフトウエア

気管支鏡シミュレーターは、CT画像情報から気管支内腔をバーチャル画像として再構成するものです。熟練した呼吸器内科医はCT画像を読影することによって到達すべき病変までの気管支分岐を読むことができますが、気管支鏡シミュレーターではコンピュータプログラムがこの作業を行います。このようにして予め得られた病変までの気管支内腔画像を実際の気管支鏡モニター画像と同時に視認しながら進むことで、初心者でも患者さんに苦痛を与えることなく正確な検査を行うことが可能となります。また、CT画像、バーチャル気管支鏡画像、実際の気管支鏡モニター画像を繰り返し学習することにより、比較的短期間に熟練した呼吸器科医と同等なCT読影能力を得ることができると考えられます。

これまでに他院または他科で病変に到達することができなかった症例や胸部X線写真では確認困難な症例、計10例において気管支鏡シミュレーターを使用した気管支鏡検査を行いました。この結果、ほとんどの症例で肺癌であることが証明されています。

気管支分岐は個人差が大きく教科書だけで熟達することは極めて困難であり、実際の気管支鏡経験が何よりも重要です。しかしながら初心者が迷いながら行う気管支鏡は患者さんに大きな苦痛を強いることになってしまいます。気管支鏡シミュレーターを用いて呼吸器専門医を養成することはこのジレンマを取り除き、難しい症例でも良好な検査結果を得る極めて有効な手段となっています。

利用状況・・・径2cm未満小型末梢腺癌の正診率は従来法では34%程度とされてきた(ACCPガイドライン2007)。これに対して、BFナビゲーションシステムによるガイドを用いた検査では診断率が80%を超えるとされている。当院において導入されたBF-naviは10-12次分岐までナビゲート可能であり、気管支鏡施行前に術者となる研修医や若手呼吸器科医が患者に苦痛を与えることなく繰り返し気管支分岐の検討をすることが可能となっている。細径気管支鏡P260F を用いてBFナビゲーション下に行う気管支鏡検査は表のように年々増加している。さらに末梢小型腺癌を超音波で確認するEBUS-GS件数も同様に増加している。このような取り組みにより、気管支鏡経験年数の少ない臨床研修医や若手呼吸器科医が施行しても80%前後の高い正診率を得ることができている。