NAR大学・地域連携+α専門医の養成

「NAR大学・地域連携『+α専門医』の養成」プログラムについて

平成20年度に文部科学省が公募した大学改革推進事業プログラム「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に、新潟大学が申請担当大学となり、秋田大学、琉球大学と共同で申請した事業名称「NAR大学・地域連携『+α専門医』の養成」プログラムが選定されました。

プログラム名のNAR大学は、新潟、秋田、琉球の頭文字からとったものです。また、NARU、ナルは、Niigata Akita Ryukyu Universityの頭文字からとったものです。

豪雪地域や離島を抱える新潟県、秋田県及び沖縄県では、それぞれ新潟大学、秋田大学及び琉球大学が、各県唯一の医育機関であり、地域に高度医療を提供できる専門医を養成するとともに、地域医療を担う医療人を育成することが期待されています。

本プログラムは、NAR大学が提供する大学病院と関連医療機関を循環する、きわめて多彩な専門重点コースから、プログラム参加者自らが選択し、

全員が専門分野の専門医を取得するだけでなく、

  1. 大学院生としてより深い研究を併行して行い、専門領域における臨床研究者とナル。
  2. より専門性の高い領域の研修を行い、subspecialtyの専門医とナル。
  3. 専門分野の周辺領域や他領域を研修し、より広範な領域に対応できる専門医とナル。
  4. その上で、専門重点コース修了後も継続的なキャリア形成への支援により、長期にわたり地域に定着し、

専門医「+α」、より深く、より高く、より広く、より長く、にナルことを目指すという取り組みです。

このナルはNARUのナルとかけております。

そのため、新潟大学医歯学総合病院には申請大学病院として医師キャリア支援センターが新設され、平成20年11月1日付けで、このプログラムの統括コーディネータとなる専任教員2名が公募採用されるとともに、事務職員3名が採用され配属されました。また、当センター部長は、本プログラムの事業推進責任者である医科総合診療部長の鈴木栄一先生が併任することとなりました。このほか、専門分野研修コースごとに、各診療科から分野別コーディネータを推薦いただき、31分野別コースに35名が選任されました。さらに、本プログラムでの専門研修を大学病院と循環して行う関連医療機関には、67名の施設別コーディネータが委嘱されました。

当プログラムの具体的な活動内容について

「NAR大学・地域連携『+α専門医』の養成」プログラム冊子

本プログラムでは、各専門分野別コースの詳細な研修内容や、取得可能な標準的な専門医取得のための情報のほか、より専門性の高いsubspecialtyの専門医の情報、その資格修得のための関連医療機関の認定施設等の情報、専門領域を超えたより広範な領域の研修のための情報、さらに、専門分野別の大学院を含めた臨床研究のための情報などを収録した「NAR大学・地域連携『+α専門医』の養成」プログラム冊子を作成し、臨床研修医や学部学生に提供します。また、その内容を医師キャリア支援センターのホームページに掲載し、全国の研修医や医学生への情報発信を行い、広く本プログラムへの参加者を募集します。

医師キャリア支援センターへの登録

本プログラムの参加者、すなわち新潟大学医歯学総合病院の全診療科が提供する、31分野別専門研修コースの参加者は、全員が医師キャリア支援センターに登録していただき、各自のデータベース、専門研修コース、研修病院、研修進捗状況、専門医取得状況、学位取得状況などを定期的に更新していただくことで、専門研修中のそれぞれのキャリアが把握可能となります。また、専門研修コース修了後も、その後のキャリア形成の把握と継続的な支援を行い、地域のニーズに応じた、透明性のある医師派遣・循環システムをコーディネートします。また、長期的には、データベースをもとにした各専門研修コースの実績を、臨床研修医や医学生に情報発信できればと考えています。

連携テレビシステム

新たに光ファイバーによる連携テレビシステムを、NAR大学病院と関連医療機関に広く導入します。これは、新潟大学が平成17年度に選定された医療人GP「中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成」プログラムにより、地域医療病院11施設に設置された、地域支援テレビシステムと互換性のあるものです。連携テレビシステムをより広範に導入することで、大学病院と関連医療施設、あるいは関連医療施設間の遠隔医療による医療連携を強化するとともに、適宜参加者のニーズに対応した大学病院指導医による遠隔指導を可能にします。また、プログラム参加者のデータベースをもとに、各施設の指導医、コーディネータ間の綿密な情報交換を行い、研修到達状況、指導体制変更などについての迅速な情報の共有化を図ることで、より広範な高度医療人養成ネットワーク・高度医療連携ネットワークを構築します。

高度シミュレーター

新潟大学医歯学総合病院に、各分野から申請いただいた専門研修用の各種疾患シミュレーターのほか、各種内視鏡トレーニングシミュレーター、各種エコー教育シミュレーター、各種鏡視下手術トレーニングシミュレーターといった診断用あるいは治療用シミュレーターなど、専門研修に有用と思われる様々な高度シミュレーターを導入します。これによって、本プログラムにおける各分野の高度専門医療人の養成体制を支援します。

今回のプログラムの全体像

医師キャリア支援センターは、新潟大学においては新潟大学医歯学総合病院の1部門に組み入れられています。センターは統括コーディネータとしての役割を持っています。

分野別コーディネータは、各関連医療機関を巡回指導し、コースの参加者全員の状況を把握し、各関連病院の指導医との間で情報の共有化を図ります。

施設別コーディネータは、すべての関連医療機関において選任・委嘱されています。

NAR大学組織としては、まず、包括的で透明性のある連携を図るために、センターの上部機関として、医学部長、大学病院長、関連医療機関長、県行政担当者、および医師会等で構成するNAR大学・地域連携医師キャリア形成支援協議会を設立します。また、定期的に医学部長、病院長及び統括コーディネータによるNAR連携プログラム運営会議を開催します。

そして、各コース別に統括、分野別、および施設別コーディネータと、指導医によるコース連絡会議を開催します。このコース連絡会議において、実際の計画立案、調整などを行っていく予定です。

一方、各大学病院と主な関連医療機関に連携テレビシステムを導入し、指導医、コーディネータ間の綿密な情報交換を行い、プログラム参加者の研修到達状況、指導体制変更についての迅速な情報の共有化を図ります。

医師キャリア支援センターは指導医への支援のため、指導医を対象とした講演会を開催するとともに、指導医キャリアアップ講習会を企画運営します。

このような活動を通して、専門医「+α」(より深く、より高く、より広く、より長く)の獲得、専門医「+α」にナルことを目指します。

大学病院連携型高度医療人養成推進事業は5年間の予定で公募されたものですが、本事業の終了後も、医師キャリア支援センターは新潟大学医歯学総合病院の一部門として継続運営していただき、将来的には、このセンターに蓄積されたデータベースが専門研修修了後も参加者のキャリアアップに繋がるとともに、出産・育児を経験した女性医師の復帰支援にも活用できればと考えています。

本プログラムにより、参加者全員が各分野の専門医を取得するとともに、

  • 臨床研究者としての能力を兼ね備えた専門医
  • 地域に高度専門医療を提供できる専門医
  • 及び地域医療に広く貢献できる専門医

を養成し、医師キャリア支援センターによる永続的な支援と大学・地域間の連携により、大学病院を中心とした循環型の安定した良質の医療の提供を可能とします。

「NAR大学・地域連携『+α」専門医』の養成」プログラムは、国内に広く存在する医師不足地域の医療に対応できる、高度医療人養成のモデルとなることを目指します。

最後になりましたが、これまで当プログラムの立ち上げ・運営にご尽力いただいた皆様に、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

今後とも、当プログラム、医師キャリア支援センターにご指導、ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。